福島、茨城、千葉で震度3。
多摩美で授業の日。
「食べる」と「昔話」テーマにインスタレーション作品を作りたいという学生の制作相談にのっていたときのこと。
僕:「"食べる"と"昔話"かぁ…、あぁ、桃太郎は、食べものいっぱい出てくるよね。」
地雷ワード、「いっぱい」、パ裂。
しかし、よくよく考えてみると桃太郎に出てくる食べ物は、桃ときびだんごくらいのもので、学生に適当なことを言っていた自分に後で気づく。
ここまでの成績…
積算上演日数:589(+1)
終演まで:437(±0)
終演見込み日:2012年8月11日(+1)
しかし日誌の更新が遅れたので(8月6日、7日)、罰則として上演期間を2日間延長…
積算上演日数:591
終演まで:439
終演見込み日:2012年8月13日
Posted: 6月 1st, 2011
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早朝、福島で震度4。朝、茨城で震度3、福島で震度3。昼、岐阜で震度3、新潟で震度3、茨城で震度3。夜、熊本で震度3、茨城で震度3。
一日中、実家に引きこもり。鬱屈した気持ちが晴れない。
母が緊急時のために飲み水を買いだめしておきたいが、車が出せないのでどうしたらいいだろうという。
そもそもミネラルウォーターを買えるのかという問題もあるのだが、首都圏では深刻なガソリン不足が続いている。ガソリンの在庫が底をつき、閉店するガソリンスタンドが続出。開店しているわずかなガソリンスタンドには車が殺到し、何時間も並ばなければ給油することができない。今週中にも供給が安定する見通しとのことだが、今車のタンクに残されているわずかなガソリンを消費するのはできるだけ避けたい。
私:「じゃあ、カートをひっぱって買いにいってこようか」
地雷ワード、「ひっぱる」、パ裂。
それでも今日は一つだけ、良いニュースがあった。以下に転載させていただく。
夢は芸術家…9日ぶり救出の16歳少年「助かって良かった」(スポニチ)
宮城県石巻市の倒壊した家屋で震災から9日ぶりに救出された阿部任さん(16)が21日、入院先の石巻赤十字病院で取材に応じ、「助かって良かった」などと心情を語った。
任さんと祖母の寿美さん(80)を助け出した県警石巻署の清野陽一巡査部長(43)ら4人も「生存者がいたことに驚いた。生きていてくれてうれしい」と話した。
病室のベッドに寝たまま質問に答えた任さんは、閉じ込められていた9日間について「水を飲んで、お菓子を食べていた」とし、「(捜索隊などの)音は聞こえたが、外に出られなかった」と述べた。
同席した父親の明さん(57)は「順調に回復してくれるはず。(寿美さんが助かったのは)任がいたからだと思う」と穏やかな表情を見せた。
清野巡査部長らによると、石巻署員4人は20日午後の捜索中、かすかな声が聞こえたため、近づくと家屋の屋根にすがりつく任さんを見つけた。寒さに震えていたが「大丈夫です」と話した。署員がカイロを差し出したが、「おばあちゃんを助けてほしい」と寿美さんを気遣った。
家屋は押しつぶされていたが、署員らは、がれきをかき分けながら中へ。クロゼットや冷蔵庫などが倒れた台所に、わずかに空いたスペースで寿美さんが布団にくるまり座っていた。寿美さんは衰弱した様子だったが「安心してください」との署員の言葉に泣き崩れたという。
救出後、清野巡査部長が任さんに将来の夢を尋ねると、「芸術家になりたいです」と元気に答えたという。清野巡査部長は「つらい中での救助活動だったが励みになった」と振り返った。
同署などによると、東北地方では地震の後、雪が降るなど真冬並みの日もあった。2人は厚着し、毛布にくるまって寒さをしのぎ、冷蔵庫の中にあったヨーグルトなどを食べていたという。
寿美さんと任さんを診察した石巻赤十字病院の小林道生医師は21日、取材に対し「(2人とも)元気で、朝食もしっかり食べた」と話した。
ここまでの成績…
積算上演日数:525日(+1)
終演まで:445日(±0)
終演見込み日:2012年6月8日(+1)
Posted: 3月 21st, 2011
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早朝、福島で震度3。朝、長野で震度3、岩手で震度3、茨城で震度3、福島で震度3。昼、岩手で震度4。夕方、岩手で震度3、茨城で震度3。夜、茨城で震度4、千葉で震度4、福島で震度3。
今日第5グループでは、午前6時20分~午前10時と、午後1時50分~午後5時30分の二回にわたって計画停電が実施された。
停電中、「首都圏から退避すべきか留まるべきか」を議題に、実家の食堂で母、「パ」ートナー、私の3人で家庭内会議を開く。
しかし母親というのはいざとなると実に身勝手なもので、会議はちょっとした親子喧嘩に発展した。私と「パ」ートナーには未来があるからと、二人に執拗に疎開を要求するくせに、自分は5匹のネコを置いて逃げられないので、どんなに被曝しようがここに留まると言うのだ。
この家庭内会議で私が意見した内容は以下の通り。
実家は爆心地からちょうど250km離れている。ここを退避すべきかどうかは見極めが難しい。
今回の原「パ」ツ事故がもし最悪のシナリオを辿ったとしても、政府が首都圏に避難勧告を出すことは最後までしないだろう。そしてマスコミは決して事実を正確に伝えないだろう。だから退避すべきかどうかは、最終的に自分たちで決断しなければならない。
事故が最悪のケースに至った場合、放射能被害もさることながら、各地で甚大なパニックが起こることが予想される。パニックによる危険と、被ばくによる人体への危険を天秤にかけた場合、前者の方が差し迫った危険としては大きいなのではないか。首都圏から我れ先にと逃げ出そうとする人たちで交通機関という交通機関は機能不全に陥るだろう。だから放射能による健康被害だけでなく、パニックの中で足止めを食らって身動きが取れなくなったり、事故や事件に巻き込まれるというようなことも想定しておくべきだろう。
炉が水蒸気爆発を起こし放射性物質が大量に拡散した場合、放射線量はこの辺りでも相当上がるだろう。しかしそれでもここが爆心地から250km離れていることを考えると、成人が"直ちに"健康への深刻な影響を受けるレベルまでには至らないだろう。民間で放射線量を測っている人たちは沢山いるので、政府やマスコミが放射線の数値を隠蔽することは不可能だろう。
したがって、例え最悪のシナリオを辿って避難する必要が出たとしても、放射線の数値を睨みつつ、パニックが沈静化されるまで数日間屋内に留まり、ある程度安全に移動できるようになってから移動する、というのが最善の策なのではないか。
結局会議は私の意見した内容で合意に至り、一件落着。
しかし私はこの会議の中で、地雷ワード、「パニック」を1回パ裂させてしまったのだった。
そして夜、日本時間で日付が変わって3月18日未明。パリにある「La Gaieté Lyrique」では、渡航を取りやめた私と大友良英さん以外のツアーメンバーによって、『We Don`t care about music ayway…』のライブが始まろうとしていた。現場には行けないが、何らかの形で参加したい…、そう思った私は、自らの心臓の鼓動をUSTREAMを通じて日本の実家からパリの会場へとリアルタイムに配信することにした。オンラインライブというより単なる心臓の鼓動の垂れ流しなのだが、この危機の中でも変わらず息づく私の小さな命の音を、客入れDJのような感じで使ってもらえればと思ったのだった。電子聴診器を胸部に貼付けて配信開始。そしてその状態のままベッドに入り、パリにいる人々に思いを馳せながら眠りについたのだった。
ここまでの成績…
積算上演日数:524日(+1)
終演まで:448日(±0)
終演見込み日:2012年6月7日(+1)
Posted: 3月 17th, 2011
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未明、茨城で震度3、福島で震度3。早朝、東京で震度3、新潟で震度3、宮城で震度3、福島で震度3茨城で震度3。朝、新潟で震度3、秋田で震度3、福島で震度3、茨城で震度3。昼、岐阜で震度3。夕方、茨城で震度3。夜、静岡で震度6強、福島で震度6強、山梨で震度4、茨城で震度3、千葉で震度3。
起床。昨晩はあまり眠れず。
一階の食堂へ降りると、母が朝食をつくってくれていた。窓際に置かれたテレビでは、今日も慌ただしく震災と原発についての報道が繰り返されている。
アナウンサーが言った。
"東京電力福島第1原発爆発事故を受け、菅直人首相は午前11時にも国民に向けたメッセージを出すとのことです。えー、繰り返します、東京電力福島第1原発爆発事故を受け、菅直人首相は午前11時にも国民に向けたメッセージを出すとのことです。"
私はこの「会見」が、わざわざ「国民に向けたメッセージ」という言い方で報じられていることに戦慄した。おそらく昨日の爆発によって拡散した放射能は、風にのってもう首都圏に到達しているはずである。しかし自分が吸っている空気の放射線量を知る術がない。そんな状況の中で、昨日の原「パ」ツ爆発を受けて首相が「国民に向けたメッセージ」を出すという。真っ先に1945年8月14日夜と8月15日朝に、「十五日正午に天皇自らの放送がある」と報じたあの予告放送のことが思い出された。玉音放送にしろ、911の際のブッシュのテレビ演説にしろ、世界大恐慌の際のルーズベルトのラジオ演説にしろ、国家の最高責任者が国民に直接メッセージを伝えようとするとき、それはいつも国民がこれから歴史的な受難を引き受けな ければならないという宣告だった。このニュースはその宣告の予告なのだ。
私は時計に目をやった。時間は午前10時40分を少し過ぎたところである。よし、まだ間に合う。私は朝食を中断し、母に水を詰められるあらゆる容器をすべて水道水で満たすようよう指示し、自分もついて行くという「パ」ートナーを足手まといになるからと振り切って、寝巻きのまま家を飛び出した。近所のコンビニエンスストアを何軒も走って回り、ありったけのマスク、軍手、ガムテープ、飲料水を買い漁る。きっとこれは「買い占め」という非難されるべき行為なのかも知れない。しかし私にも守らなければならないものがあるのだ。両手いっぱいに袋を抱え、実家に帰ると、ちょうど菅首相の「国民に向けたメッセージ」がはじまるところだった。
"国民の皆様に、福島原発について御報告をいたしたいと思います。是非、冷静にお聞きをいただきたいと思います。"
「メッセージ」はこんな不穏な調子で始められた。以下、会見より引用。
"福島原発については、これまでも説明をしてきましたように、地震、津波により原子炉が停止をし、本来なら非常用として冷却装置を動かすはずのディーゼルエンジンがすべて稼働しない状態になっております。この間、あらゆる手だてを使って原子炉の冷却に努めてまいりました。しかし、1号機、3号機の水素の発生による水素爆発に続き、4号機においても火災が発生し、周囲に漏洩している放射能、この濃度がかなり高くなっております。今後、さらなる放射性物質の漏洩の危険が高まっております。
ついては、改めて福島第一原子力発電所から20kmの範囲は、既に大半の方は避難済みでありますけれども、この範囲に住んでおられる皆さんには全員、その範囲の外に避難をいただくことが必要だと考えております。
また、20km以上30kmの範囲の皆さんには、今後の原子炉の状況を勘案しますと、外出をしないで、自宅や事務所など屋内に待機するようにしていただきたい。そして、福島第二原子力発電所については、既に10km圏内の避難はほぼ終わっておりますけれども、すべての皆さんがこの範囲から避難を完全にされることをお願い申し上げます。
現在、これ以上の爆発や、あるいは放射性物質の漏洩が出ないように現在全力を尽くしております。特に東電始め関係者の皆さんには、原子炉への注水といったことについて、危険を顧みず、今も全力を挙げて取り組んでいただいております。そういった意味で、何とかこれ以上の漏洩の拡大を防ぐことができるように全力を挙げて取り組んでまいりますので、国民の皆様には、大変御心配はおかけいたしますけれども、冷静に行動をしていただくよう心からお願いを申し上げます。
以上、国民の皆さんへの私からのお願いとさせていただきます。(引用終わり)"
その後、枝野官房長官の会見が続く。それによると、午前10時22分に、第1原発3号機付近で毎時400ミリシーベルトの放射線量を観測。これは1時間で一般人の年間被ばく線量限度の400倍になるとのこと。これについて、"身体に影響を及ぼす可能性の数値であることは間違いない"、"放射能濃度がかなり高くなっている。今後、放射能の漏えいの危険が高くなっている" とのこと。
今のところ、首都圏に関してはまだ深刻な放射線量ではないとのことだが、原「パ」ツ事故には隠蔽がつきものだ。果たして政府や東電は信じられるのだろうか…。
そして夜、静岡県東部を震源に震度6強の地震。この地震で2名が重傷、48名が軽症。521棟の建物が一部損壊。21,700軒が停電。
twitterでは八谷和彦さんが書いた「うんち・おならで例える原発解説」が話題になっていた。今回の原「パ」ツ事故が子供でも理解できるよう、ユーモラスな例えで解説された名文である。私はこれを不安で押しつぶさそうになっている母と「パ」ートナーを少しでも落ち着かせようと、声に出して二人に読み聞かせたのだった。深刻な現状を的確に解説しながらも、おもしろ可笑しく表現されたその文章に、それまで浮かない顔をしていた二人の顔が「パ」っと明るくなって笑いがおこる。しかし、文中には当然「原発」という言葉が頻発する。私は文章を目で追いながら、この文字をキャッチする度に、頭の中で「原子力発電所」という言葉にリアルタイム変換して声に出していたのだが、一カ所、ミスってそのまま「原発」と読んで しまったのだった。
地雷ワード、「原発」、パ裂。
ここまでの成績…
積算上演日数:523日(+1)
終演まで:449日(±0)
終演見込み日:2012年6月6日(+1)
Posted: 3月 15th, 2011
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未明、福島で震度4、新潟で震度3、茨城で震度3。早朝、福島で震度3。朝、宮城で震度5弱、茨城で震度4、福島で震度3、岩手で震度3。昼、長野で震度4、福島で震度3、岩手で震度3、千葉で震度3。夕方、宮城で震度3、岩手で震度3。夜、福島で震度3、茨城で震度3。深夜、福島で震度4、千葉で震度3、三陸で震度3。
『金閣寺』大千秋楽。32公演目(大阪、梅田芸術劇場)
原「パ」ツのこと、被災地のことが気になって一睡もできずに夜が明ける。
何とか一時間だけでも眠りたい、そう思って目を閉じるが、瞼の裏側に焼き付いた破壊的な映像が津波のように押し寄せてきて、目を閉じていることができない。あきらめて朝食をとるために25階のレストランへ。
窓から臨む大阪の朝は美しかった。
しかし今日は舞台に立ちたいとはどうしても思えない。
多くの人がそうであるように、私もまた不安と無力感に苛まれていた。
しかしそれでも幕は明けるのだ。
そしてこれが自分の選んだ道なのだ。
自分が受け取けとったこの衝撃を、舞台で声に変えて放出することが、今の僕にできる唯一の仕事なのだろう。
そう自分に言い聞かせて、ホテルをチェックアウト。
劇場へ。
そして本番…。できるかぎりのことはやったつもりだ。
32公演ものロングランが終わった。余韻を味わう暇もなく、急いでシャワーを浴び、荷物をまとめ、劇場を後にして新大阪駅へ。帰りの新幹線はがらがら。客室の空気は張りつめて、私を含めてみんな無口だった。そんな中、気を遣ってくれたのだろう。プロデューサーの福島さんが2人分のビールを持って私の隣に座り、明るく話しかけてきてくれる。
「夏のニューヨーク公演がんばりましょう」と福島さん。
『金閣寺』は7月にニューヨークで開催されるリンカーンセンターフェスティバルで再演されることになっている。
昨晩一睡もできなかったのと舞台の疲れのせいで、いつもよりビールのまわりは早かった。加えてこの震災で何かが鬱屈していたのだろう、私はいつもよりずっと早口だった。日本のインディペンデントな音楽シーンや、舞踏といった文化が、いかに世界的な評価を受けているか、そしてそれがいかに日本のメディアに載らないか、というような話をマシンガンのごとく興奮気味に語り続けた。
私:「ノイズや即興音楽シーンでは、日本のアーティストは海外からひっぱりだこなんですよ」
地雷ワード「ひっぱりだこ」、パ裂。口が滑ったことで、少しだけ酔いが醒める。
そうこうしているうちに新幹線は新横浜へ。
キャスト、スタッフの皆さんとお疲れさまの挨拶をして新幹線を降り実家へと向かう。
実家の最寄り駅までいくと、ちょうど母と実家へ身を寄せている「パ」ートナーとが、駅前のスーパーへ買い出しに来ているとの連絡があり合流。2人とも私の顔を見てほっとした様子だ。私もやっと少し肩の力が抜くことができた。
しかしスーパーの棚にはほとんど何もなかった。震災で多くの人が一気に買い込みに走ったようだ。それでも残されたわずかな食料を買って、実家へ帰宅。3人でテレビニュースにかじりつきながら夕食をとる。
ニュースによれば、原「パ」ツ事故によって首都圏に深刻な電力不足が生じているとのことで、東京電力は、明日14日から3時間ずつ、地域ごとにローテーションで停電を実施するという。実家のある地域は第5グループに分けられるらしいのだが、東京電力が事態に対応しきれておらず、情報が混乱をきたしていて、停電が実施される時間帯が深夜になっても発表されない。停電した場合、鉄道機関への電力供給も停まるため、その地域の電車は動かなくなるらしい。
明日、こんな非常事態の中でも「パ」ートナーは仕事に行かなければならないという。電車が動かなければ、職場に辿り着けないではないか。しかし、明日のことは明日のことと、あきらめて、そのまま「パ」ートナーと実家に泊まることにした。
ここまでの成績…
積算上演日数:522日(+1)
終演まで:450日(±0)
終演見込み日:2012年6月5日(+1)
Posted: 3月 13th, 2011
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未明、新潟で震度6強、千葉で震度4、秋田で震度4、福島で震度4、長野で震度4、群馬で震度4、茨城で震度4、三陸で震度4、宮城で震度3。早朝、新潟で震度6弱、長野で震度4、福島で震度4、茨城で震度3、宮城で震度3、三陸で震度3、秋田で震度3。朝、福島で震度4、新潟で震度4、長野で震度4、宮城で震度3、岩手で震度3、三陸で震度3、茨城で震度3。昼、岩手で震度4、新潟で震度4、長野で震度3、福島で震度3、茨城で震度3宮城で震度3、三陸で震度3。夕方、東京で震度3、福島で震度3、茨城で震度3新潟で震度3、三陸で震度3。夜、福島で震度5弱、新潟で震度5弱、岩手で震度4、長野で震度4、茨城で震度3、宮城で震度3。
『金閣寺』30、31公演目。(大阪、梅田芸術劇場)
ホテルで目覚めると、つけっぱなしで寝てしまったテレビからは、言語に絶する映像が流れ続けていた。繰り返し流される津波の映像があまりに衝撃的すぎて昨晩はあまり眠れず、睡眠不足。
しかも朝から何だか涙腺が緩い。自分で自覚しているよりも、破壊的な映像で心がダメージ受けているようだ。今日はマチネとソワレの2公演をこなさなければならないというのに。ハードな一日になりそうだ。
部屋のカーテンを開けると天気はよかった。26階の窓から見下ろす大阪の街の風景はいつもと変わらなかった。
するとパートナーから電話。昨晩泊めてもらった同僚の家からそのまま仕事に向かうとのこと。大きな余震があるかもしれないので、夜は横浜の私の実家に泊まるように私は「パ」ートナーを説得した。
ホテルを出て劇場へ。みんな口数が少なく、舞台裏は静まり返っている。「おはようございます」と、キャストやスタッフの方々と挨拶をするが、お互い今日も震災の話題は持ち出さなかった。楽屋に入り、テレビモニターのスイッチを入れ、チャンネルをニュースに合わせた。普段は舞台に集中するため、楽屋ではなるべく外の情報はシャットアウトしてきたが、今日はそうはいかない。
そしてマチネ開演。空席が目立つ。きっと首都圏から来るはずだった人が来られなくなったのだろう。『金閣寺』は地方公演でも、かなりの数の人が首都圏から観に来るのだ。
マチネを終え、シャワーを浴びる。そして楽屋へ戻ったとき、私はテレビに映し出された映像に言葉を失った。
え?…。
福島の原子力発電所とみられる建物からもうもうと煙が上がっている。爆発した…。原発が爆発してしまったのだ。
ニュースによれば、爆発があったのは、福島第一原発一号基。大きな揺れがあり、ドーンという音とともに白煙が上がったとのこと。現場にいた4人が病院に運ばれたらしい。すぐにチェルノブイリのことが頭をよぎった。これはヤバイ。いても立ってもいられなくなって楽屋の外に出る。そして廊下を通りかかったスタッフにこう話しかけた。
「テ、テレビ見ました?原発…、ヤバイことになりましたね…」
地雷ワード、「原発」パ裂。
よりによってこんな日に、こんな形で「パ」と口を滑らせてしまうとは何たる罰か…。自らを呪う。
誰かが街頭でもらってきたのだろう。劇場事務所の掲示板には「福島原発で爆発」と大きく書かれた号外が張り出されていた。明日の大千秋楽を前に、本日予定されていた打ち上げは中止。
こんな日にマチネとソワレ計2公演というのはさすがにキツかったが、それでも何とか公演を終えて、ホテルへ戻る。すると怪しい女子が私の背後をつけてくる。さては『金閣寺』の他のキャストのおっかけだろう。私とお目当てのキャストが同じホテルの同じ階に宿泊してると思って尾行してきたらしい。まったく、こんなときにやめてくれ…。一旦別の階で降りて、おっかけを巻いてから自分の部屋へ戻る。
実家に電話。電話も少し繋がりやすくなってきた。仕事を終えた「パ」ートナーが実家に到着したらしい。今晩は実家に泊まるとのこと。ノートPCを開くと海外の友人、知人から、安否を気遣うメールが次々と届く。世界中で日本の震災と原発事故がトップニュースとして報道されているようだ。
ベッドに入るが眠れない。
テレビをつける。何度も繰り返される津波の映像を見ながら、ビールを喉に流し込む。
気仙沼には一度仕事で訪れたことがある。あの時会った人たちはどうしただろう。
あの美しい碁石海岸はどうなっただろう。
津波による死者・不明者の数はどこまで増えるのだろう。
原発事故はどうなるのだろう。
東北はどうなるのだろう。
この国はどうなるのだろう。
私の「パ」ートナーや家族はどうなるのだろう。
私たちの未来はどうなるのだろう。
とにかく明日は『金閣寺』大千秋楽。
明日の公演を終えれば、家に帰れる。
ここまでの成績…
積算上演日数:521日(+1)
終演まで:450日(±0)
終演見込み日:2012年6月4日(+1)
Posted: 3月 12th, 2011
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『金閣寺』のため、博多入り。
羽田空港行きのリムジンバスに乗る前に、慌ただしく腹を満たそうと、駅前のマクドナルドへ駆け込んだ。
マクドナルドの店員さん:「いらっしゃいませ、ご注文をどうぞ」
私:「えっとー、じゃあ、ダブルクォーターパウンダー・チーズ、セットで!」
地雷ワード、「ダブルクォーターパウンダー」、パ裂。
ここまでの成績。
積算上演日数:506日(+1)
終演まで:451日(±0)
終演見込み日:2012年5月20日(±1)
Posted: 2月 24th, 2011
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「金閣寺」松本公演のため、長野へ。
そして松本芸術劇場に到着し、明日の本番に向けての場当たり稽古。
1月23日付けの日誌に書いたように、「金閣寺」では、私が天井から吊されるシーン(舞台用語でフライング)があるのだが、地方公演で各地のホールを巡回するにあたり、テクニカルな理由から、フライングで天井から降りてくるという演出は断念せざるを得なかった。
結果的に松本公演からこのシーンは、私が高所によじ登って登場する、という形に変更されたのだが、その新たな演出を段取りで確認していた時のことである。
舞台で私は床を引きずるほどの長さの金のスカートをはいているのだが、マイクを片手に舞台装置をよじ登ろうとすると、どうしてもこれが邪魔になる。最悪、裾を踏んづけたまま上に登ろうとして転落する危険すらあり得る。
そこで私は考えた。
「うーん、やっぱりスカートを口にくわえるしかないかな…」
地雷ワード、「やっぱり」パ裂である。連続完封記録更新ならず。